今回のテーマ
今日も審査の現場から。完了検査で「エアコンの品番」を確認している、という話です。省エネ基準の適合義務が広がって、住宅の完了検査で見るものが一つ増えました。
木造2階建て住宅にも省エネ基準
建築物省エネ法と建築基準法の改正により、木造2階建て住宅のような小さな住宅にも、省エネ基準に適合することが求められるようになりました。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律 第10条(抜粋)
建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下のものを除く。)をしようとするときは、当該建築物(中略)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。
2 前項の規定は、建築基準法第六条第一項に規定する建築基準関係規定とみなす。(ただし書き略)
ポイントは第2項です。省エネ基準への適合が「建築基準関係規定」とみなされるので、確認申請だけでなく、完了検査でも計画どおりになっているかを確認することになります。
完了検査でエアコンと給湯器を見る理由
住宅の省エネ性能は、断熱だけで決まるわけではありません。エアコンや給湯器などの設備の性能も、計算に入っています。確認申請のときには、省エネ性能を満たすエアコンや給湯器の機種を選んで計画しています。
だから完了検査では、計画どおりの機種が設置されているかを確認します。
とはいえ、メーカー品はモデルチェンジが早く、工事が終わるころには同じ品番の商品が手に入らないこともあります。その場合でも、同じ性能か、それ以上の性能の機種への変更であれば軽微な変更として扱えます。品番が変わったらすぐアウト、というわけではないので安心してください。
注意したいのは「エアコンの別発注」
気をつけたいのは、建築主さんがエアコン工事を、住宅の請負工事とは別に発注している場合です。家電量販店や地元の電器屋さんにお願いする、というのはよくある話ですよね。
設計図どおりの機種を発注すれば問題ありません。でも、なんの気なしに部屋の広さだけでエアコンを選んでしまうと、省エネ性能が計画を満たしていない、ということが起こり得ます。「6畳用だからこれでいいですよね」が、完了検査で引っかかってしまうかもしれないのです。
審査する側のひとりごと
住宅と車庫の「敷地」の話でも書きましたが、建築主さんが工事の一部を別に発注するのは珍しくありません。車庫も、エアコンも、施主さんにとっては「家の一部」です。
だからこそ、工事監理者には、検査済証をスムーズに受け取るためにも、建築主さんと工事施工者さんとの連絡調整を怠らないようにしてほしいと思います。「エアコンはどこに頼みますか?」「機種はこの性能か、それ以上の性能のものでお願いします」と、ひと声かけておくだけで防げることです。
中間検査を忘れた現場の話もそうでしたが、現場のトラブルの多くは、法律の難しさよりも「伝わっていなかった」ことから起こります。省エネ基準の義務化で、その「伝える相手」に家電屋さんまで加わったのかもしれませんね。


コメント