【毎日10分 #9】商業地域は日影規制の対象区域にできる? 高さ制限の全体まとめ付き

毎日10分 #9 日影規制の対象区域 建築基準法適合判定資格者検定

 高さ制限シリーズの3本目、これでいったん締めくくりです。#7(北側斜線)、#8(高度地区)と同じ5択の中で、間違えた最後の1問。今日のテーマは日影規制です。最後に、高さ制限の全体のまとめも作りました。

今日の問題

問 用途地域の指定のない区域であっても、地方公共団体の条例で指定する区域については日影規制の対象区域とすることができるが、商業地域については、日影規制の対象区域とすることができない。

答 ◯

条文を確認しよう

建築基準法 第56条の2第1項(抜粋)

別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(中略)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで)の間において、(中略)日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。(以下略)

 日影規制の対象区域は、「別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域」の中から、地方公共団体が条例で指定します。では、別表第四(い)欄には何が並んでいるのでしょうか。

項別表第四(い)欄 地域又は区域
一第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域
二第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域
三第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域
四用途地域の指定のない区域

 四の項に「用途地域の指定のない区域」があるので、前半は正しい。そして、商業地域・工業地域・工業専用地域は、どの項にも入っていません。だから、商業地域を日影規制の対象区域にすることはできません。答えは◯です。

何を読み間違えたのか

 解答を見たとき、「別表第四のとおりじゃん!?」と思いました。でも、自分がなぜ間違えたのか、正直よくわかりません。考えられる原因を2つ挙げてみます。

 原因1:三の項の「近隣商業地域」
三の項には「近隣商業地域」があります。ざっと目で追ったときに「商業」の文字を見つけて、「商業地域も入っている」と思い込んだのかもしれません。

 原因2:第56条の2第4項とのごっちゃ

建築基準法 第56条の2第4項

対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。

 対象区域の外にある建物でも、高さ10mを超えていて、冬至日に対象区域の中へ日影を落とすなら、日影規制がかかります。つまり、商業地域に建つ高い建物でも、隣の住居系の対象区域に日影を落とせば規制を受けることがあるんです。「商業地域は日影規制と関係がある」というイメージが、「商業地域も対象区域にできる」にすり替わったのかもしれません。

 「対象区域に指定できるか(第1項・別表第四)」と「対象区域の外の建物にかかるか(第4項)」は、別の話。ここを分けて覚えます。

おまけ:「道の区域内」の「道」は北海道

 第56条の2第1項のかっこ書き「道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで」。実は私、この「道」をずっと道路のことだと思って覚えていました。上席に教えてもらって、目からウロコ。この「道」は道路ではなく、北海道のことです(都道府県の「道」)。別表第四の日影時間にも、「道の区域内にあつては、二時間」のように、北海道だけ別の数値が書かれています。

 北海道は緯度が高く、冬至の日はほかの地域より日が短くなります。そのため、測る時間帯を短くし、日影時間の基準も別に決めている、と理解すると覚えやすいです。

高さ制限のまとめ(#7〜#9)

 3回にわたって高さ制限を整理してきたので、最後に全体を一覧にしておきます。

制限条文かかる地域ポイント
絶対高さ法第55条第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域10mまたは12m(都市計画で決める)
道路斜線法第56条第1項第1号、別表第三すべての地域勾配は住居系1.25、それ以外は1.5が基本。道路から後退すると緩和(第56条第2項)
隣地斜線法第56条第1項第2号低層住居専用地域・田園住居地域以外住居系は20m+1.25、それ以外は31m+2.5が基本
北側斜線法第56条第1項第3号低層住居専用地域・田園住居地域、中高層住居専用地域低層・田園住居は5m+1.25、中高層は10m+1.25。中高層は日影規制の対象区域なら適用なし(#7)
日影規制法第56条の2、別表第四条例で指定した区域(商業・工業・工業専用地域は指定できない)対象区域の外でも、高さ10m超で対象区域に日影を落とせば規制あり(第4項)
高度地区法第58条都市計画で定めた地区中身は自治体ごと。敷地が2つにまたがっても過半主義ではない(法第91条、#8)

 並べてみると、低層住居専用地域は「絶対高さがあるから隣地斜線はかからない」、中高層住居専用地域は「日影規制があれば北側斜線はかからない」など、ルール同士が役割分担しているのがわかります。

今日の気づき

 同じ5択で3問間違えた高さ制限。#7〜#9で3日かけて整理してみて、ようやく頭の中に地図ができてきました。

 今日の学びは、「別表は、項ごとに地域名を一つずつ確かめる」こと。「近隣商業地域」と「商業地域」のように、似た名前が並んでいるときこそ、指でなぞって読むくらいがちょうどいいのかもしれません。苦手分野は、まとめて整理すると一気に見通しがよくなりますね。

 今日の10分、おしまい。また明日。

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