#13に続いて、今日も構造の問題です。そして今日も……間違えました。
今日の問題
建築基準法の規定内容と、その規定への適合を要しない場合の組み合わせとして、正しいかどうかを問う問題です。
問 (規定内容)鉄骨造の建築物の高力ボルトの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上としなければならない。
(適合を要しない場合)限界耐力計算によって安全性を確かめた場合答 ◯(正しい組み合わせ)
第5節だけを読んでいた
高力ボルトのルールは、施行令第3章第5節「鉄骨造」の第68条にあります。
建築基準法施行令 第68条第1項
高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離は、その径の二・五倍以上としなければならない。
試験中は、この第5節だけを読んでいて、第68条の中に「限界耐力計算」の話が出てこないので、組み合わせは間違いだと判断してしまいました。正解にたどり着くには、令第36条と令第81条まで辿る必要があったのです。
令第36条:計算方法によって守るべき規定が変わる
令第36条は、構造計算の方法によって、仕様規定(構造方法のルール)のどこまでを守らなければならないかを決めている条文です。まず第1項で、「耐久性等関係規定」が定義されています。
建築基準法施行令 第36条第1項
法第二十条第一項第一号の政令で定める技術的基準(建築設備に係る技術的基準を除く。)は、耐久性等関係規定(この条から第三十六条の三まで、第三十七条、第三十八条第一項、第五項及び第六項、第三十九条第一項及び第四項、第四十一条、第四十九条、第七十条、第七十二条(中略)、第七十四条から第七十六条まで(中略)、第七十九条(中略)、第七十九条の三並びに第八十条の二(中略)の規定をいう。以下同じ。)に適合する構造方法を用いることとする。
ここに並んでいる条文の中に、第68条は入っていません。
そして第2項で、構造計算の方法ごとに、適合させる規定が決められています。
建築基準法施行令 第36条第2項(抜粋)
一 第八十一条第二項第一号イに掲げる構造計算によつて安全性を確かめる場合 この節から第四節の二まで、第五節(第六十七条第一項(中略)及び第六十八条第四項(中略)を除く。)、第六節(中略)、第六節の二、第八十条及び第七節の二(中略)の規定に適合する構造方法
二 第八十一条第二項第一号ロに掲げる構造計算によつて安全性を確かめる場合 耐久性等関係規定に適合する構造方法
三 第八十一条第二項第二号イに掲げる構造計算によつて安全性を確かめる場合 この節から第七節の二までの規定に適合する構造方法
どの計算が第81条第2項の何号なのかは、第81条を見るとわかります。
建築基準法施行令 第81条第2項(抜粋)
一 高さが三十一メートルを超える建築物 次のイ又はロのいずれかに該当する構造計算
イ 保有水平耐力計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算
ロ 限界耐力計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算
二 高さが三十一メートル以下の建築物 次のイ又はロのいずれかに該当する構造計算
イ 許容応力度等計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算
ロ 前号に定める構造計算
整理すると
| 構造計算の方法 | 令36条2項 | 適合が必要な規定 | 令68条1項(中心距離) |
|---|---|---|---|
| 保有水平耐力計算 (令81条2項1号イ) | 第1号 | 第5節のうち、令67条1項と令68条4項以外 | 必要 |
| 限界耐力計算 (令81条2項1号ロ) | 第2号 | 耐久性等関係規定だけ | 不要 |
| 許容応力度等計算 (令81条2項2号イ) | 第3号 | 第1節から第7節の2まですべて | 必要 |
限界耐力計算で安全性を確かめた場合は、耐久性等関係規定だけに適合すればよいので、第68条第1項への適合は要しません。だから、この組み合わせは正しい。答えは◯です。
ちなみに、保有水平耐力計算の場合に除かれる第68条第4項は「ボルト孔の径」のルールです。同じ第68条でも、第1項(中心距離)は除かれていないので、注意が必要です。
今日の気づき
「規定への適合を要しない場合」と聞かれたら、その規定の条文だけでなく、令第36条を見る。構造の仕様規定は、令第36条が全体の「入口」になっているんだと、今日はっきりわかりました。
今日のポイントは、限界耐力計算 → 耐久性等関係規定だけ → 令68条は入っていない。そして、保有水平耐力計算で外れるのは「令67条1項と令68条4項」だけ。条文の中だけで答えを探さず、節の外まで辿る癖をつけることにします。
今日の10分、おしまい。また明日。


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