【毎日10分 #3】工事中の病院を使うなら? 仮使用の認定と「計画の届出」は別の条文だった

毎日10分 #3 仮使用と計画の届出 建築基準法適合判定資格者検定

 毎日10分シリーズ、3日目です。今日は工事中の建物を使う話。前半はすぐわかったのに、後半でまんまと引っかかりました。

今日の問題

問 延べ面積2,000㎡、地上4階建ての病院の避難施設等に関する工事の施工中において、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、仮使用の認定を受けるとともに、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

答 ×

この問題は2つの規定の合わせ技

 問題文は「仮使用の認定を受けるとともに、計画を届け出なければならない」と、2つの義務をくっつけています。前半と後半で、根拠になる条文が違うのがポイントです。

  • 前半:仮使用の認定 → 法第7条の6
  • 後半:工事中の安全上の措置等に関する計画の届出 → 法第90条の3

前半:仮使用の認定(法第7条の6)

建築基準法 第7条の6第1項(抜粋)

第六条第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で、廊下、階段、出入口その他の避難施設、(中略)に関する工事(中略)を含むものをする場合においては、当該建築物の建築主は、第七条第五項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。(各号略)

 避難施設等に関する工事をしている病院を、検査済証の前に使うには、仮使用の認定などが必要です。ここまでは問題文のとおりです。

後半:工事中の計画の届出(法第90条の3)

建築基準法 第90条の3

別表第一(い)欄の(一)項、(二)項及び(四)項に掲げる用途に供する建築物並びに地下の工作物内に設ける建築物で政令で定めるものの新築の工事又はこれらの建築物に係る避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用し、又は使用させる場合においては、当該建築主は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

 大事なのは「政令で定めるもの」の部分です。どんな建築物が対象なのかは、施行令で決まっています。

建築基準法施行令 第147条の2(抜粋)

二 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)又は児童福祉施設等の用途に供する建築物で五階以上の階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が千五百平方メートルを超えるもの

三 劇場、映画館、(中略)又は前二号に掲げる用途に供する建築物で五階以上の階又は地階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が二千平方メートルを超えるもの

 病院で計画の届出が必要なのは、5階以上の階(第3号では地階も)にある病院の部分が一定の面積を超える場合です。問題の病院は地上4階建てなので、5階以上の階がありません。地階があるとも書かれていません。

 つまり、仮使用の認定は必要でも、計画の届出は不要。だから答えは×です。

今日の気づき

 前半の仮使用の認定は、すぐに法第7条の6を引けました。でも後半は、同じ条文の続きだと思い込んでしまい、別の条文だということに気づけませんでした。

 「AするとともにBしなければならない」という問題文は、AとBの根拠が別々のことがあります。一文の中に義務が2つ出てきたら、それぞれ条文を引いて確かめる。そして第90条の3のように「政令で定めるもの」とあったら、施行令まで追いかける。この2つを、次からの合言葉にします。

 ちなみに、どちらも根っこは「工事中の建物を使う人の安全を守る」ためのルールです。実務で病院や商業施設の改修工事に関わるときは、仮使用と計画の届出をセットで確認するクセをつけておきたいですね。

 今日の10分、おしまい。また明日。

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