毎日10分シリーズ、ついに10日目です! 今日は消防法の問題。建築基準法の検定ですが、消防法も必ずと言っていいほど1問は出ます。今日は正解しました。
今日の問題
問 共同住宅及び宿泊所の用途に供する地上2階建て、延べ面積400㎡の複合用途防火対象物には、原則として自動火災報知設備を設置しなければならない。
答 ◯
まずは用途を整理
消防法では、建物の用途を消防法施行令の別表第一で分類します。
- 宿泊所 → (五)項イ(旅館、ホテル、宿泊所など)
- 共同住宅 → (五)項ロ(寄宿舎、下宿、共同住宅)
(五)項イは、不特定多数の人が利用する「特定用途」です。特定用途を含む複合用途の建物は(十六)項イの複合用途防火対象物になります。
条文を確認しよう
消防法施行令 第21条第1項(抜粋)
自動火災報知設備は、次に掲げる防火対象物又はその部分に設置するものとする。
一 次に掲げる防火対象物 イ 別表第一(二)項ニ、(五)項イ、(六)項イ(1)から(3)まで及びロ、(十三)項ロ並びに(十七)項に掲げる防火対象物(以下略)
三 次に掲げる防火対象物で、延べ面積が三百平方メートル以上のもの イ 別表第一(一)項、(二)項イからハまで、(三)項、(四)項、(六)項イ(4)及びニ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物(以下略)
四 別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項、(十二)項、(十三)項イ及び(十四)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が五百平方メートル以上のもの
(十六)項イの複合用途防火対象物は、第21条第1項第3号により、延べ面積300㎡以上で自動火災報知設備が必要です。今回は400㎡なので、建物全体に設置が必要。答えは◯です。
ここで気になるのが、複合用途の建物は用途ごとに別々の建物として考える、という第9条のルール。でも第9条のかっこ書きでは、第21条第1項第3号が除かれています。
消防法施行令 第9条(抜粋)
別表第一(十六)項に掲げる防火対象物の部分で、同表各項((十六)項から(二十)項までを除く。)の防火対象物の用途のいずれかに該当する用途に供されるものは、この節((中略)第二十一条第一項第三号、(中略)を除く。)の規定の適用については、当該用途に供される一の防火対象物とみなす。
つまり、自動火災報知設備の「(十六)項イで300㎡以上」の判断は、用途ごとに分けず、建物全体の延べ面積で見ます。ちなみに、宿泊所の(五)項イは第1号イにあるので、面積にかかわらず、その部分には設置が必要です。
そもそも自動火災報知設備ってどんなもの?
名前は聞いたことがあっても、どんな設備か説明しようとすると意外と難しいもの。イメージできると覚えやすいので、整理しておきます。
自動火災報知設備(自火報)は、火災を自動で見つけて、建物の中にいる人にベルや音声で知らせる設備です。主に次のような機器でできています。
| 機器 | どんなもの? |
|---|---|
| 感知器 | 天井についている丸い機器。熱や煙を感じて火災を見つける |
| 受信機 | 管理人室などにある盤。どこで火災が起きたかを表示し、ベルを鳴らす司令塔 |
| 発信機 | 廊下の壁にある「押しボタン」。火災に気づいた人が押して知らせる |
| 地区音響装置 | 建物中に火災を知らせるベルやスピーカー |
| 表示灯 | 発信機の上にある赤いランプ。発信機の場所を目立たせる |
廊下で見かける「赤いランプ・押しボタン・ベル」がセットになった箱。あれが自動火災報知設備の一部です。戸建て住宅にある住宅用火災警報器が、その場で鳴るだけの単独の機器なのに対して、自動火災報知設備は、感知器・受信機・ベルがつながった建物全体のシステムだと考えるとわかりやすいと思います。
今日の気づき
消防法は、建築基準法とは別の法律ですが、建築確認のときには消防の同意の手続きがあり、審査の実務とも深くつながっています。検定でも毎回のように出てくるので、避けては通れません。
今日のポイントは、用途を別表第一で分類する → 第21条で面積を確認する → 複合用途は第9条の「除く」を見る、の3ステップ。そして、自動火災報知設備は「赤いランプ・押しボタン・ベル」と、実物をイメージしながら覚えることにします。
今日の10分、おしまい。また明日。
これまでの毎日10分(#1〜#10)
10回目の記念に、これまでの記事をテーマ別にまとめました。気になるテーマからどうぞ。
| テーマ | 回 | 記事 |
|---|---|---|
| 建築物・用語の定義 | #1 | 塀も「建築物」? 延焼のおそれのある部分の過去問 |
| 確認・検査の手続き | #2 | 寄宿舎に中間検査は必要? 「共同住宅」の一語に引っかかった |
| 確認・検査の手続き | #3 | 工事中の病院を使うなら? 仮使用の認定と「計画の届出」は別の条文だった |
| 特定行政庁の命令 | #4 | 「公益上著しく支障」の除却命令に議会の同意はいる? |
| 構造 | #5 | プレキャストのはりの接合部は複筋ばりじゃなくていい? |
| 防火・避難 | #6 | ボーリング場に非常用の照明装置はいる? |
| 高さ制限 | #7 | 日影規制があると北側斜線はかからない? |
| 高さ制限 | #8 | 敷地が2つの高度地区にまたがったら? |
| 高さ制限 | #9 | 商業地域は日影規制の対象区域にできる? 高さ制限の全体まとめ付き |
| 消防法 | #10 | この記事 |


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